◇◆◇◆◇高野の独り言◇◆◇◆◇

◇高野の独り言目次◇

第12回 2007年セイロン春茶、ダージリン1番茶買い付雑感

セイロンヌワラエリヤ茶とディンブラ茶の買い付けは、2月の末から3月28日のコロンボオークションを最後に買い付けを終えました。結論から言いますと、美味しいヌワラエリヤとディンブラを買いました。ご期待下さい。
 昨年の12月、セイロンの茶園で起きた「茶園労働者のストライキ」は12月一杯続き茶畑は荒れ、とても茶摘みをする状況ではありませんでした。年が明けストライキも終息し、生産準備--と思ったら今度は「干魃」。極端に雨が降らず収量ががた落ち。オークションは強含みでかなり価格は高かったですが、旨い茶葉をしっかり買うことが出来ました。入荷はゴールデンウィーク前後になります。

 ダージリン1番茶、買い付け中です。数ロット買い付けしましたがもう少し買う予定です。年々早く始まり、緑茶の様なつまらないダージリン茶が多く困っていますが、ネット販売業者や素人業者が喜んで買っていくそうです。私のところはもう少し後の味の乗った、バランスの良い茶を買っています。4月末から5月上旬には販売出来ると思います。        

2007.4.13

第13回 カクラ?

 2007年のダージリン2番茶は、3つの茶園から買い付けました。マーガレットホープ茶園、シンゲル茶園、そしてサングマ茶園です。買い付けたそのサングマ茶園のお茶は、その年の一番の出来具合であると確信しています。名前に「サングマ茶園 カクラ マスカテル」と記されていました。名前なんてどうでもよく、高品質で旨ければ良いという考えで長年買い付けを行ってきましたが、いざ買い付けてみると多分、お客様が「カクラ」ってなんですか?と絶対聞いてくるのは必定!!。僕もこの意味不明の言葉に興味があり、すぐインドへ問い合わせました。
 「カクラ」とはネパール語で何らかの要因で、茶葉の生育が阻害され芽は普通のサイズより小さいとの意。その結果、味や香りがより凝縮され、すばらしい茶葉になるようです。
このような茶葉は、人為的に生産できず、偶然にできるもので、ただただ「大地の恵み」と考えています。ウーロン茶の生産にも「浮塵子=うんか」という昆虫が関与するとすごくいい香りになると言う。この浮塵子は大群をなして移動し稲には大変な害虫であるという。
自然界には不思議なことが起きるものである。
 ちなみにタカノのサングマ茶は発売後まもなく売り切れました。品質を理解していただけるお客様に恵まれ感謝しております。

2008.1.20

第14回 クローナル茶?

茶樹には熱帯性や温帯性などありますが、一般に緑茶は温帯性茶樹を、紅茶には熱帯性茶樹を利用して栽培しています。どこの国の茶業試験場も優れた性質を持った茶樹の開発を行っています。インドのダージリンでは10年以上前から大きな葉っぱを持った品種が栽培され、その品種にあった製茶法にて製造されるようになってきました。チャイナハイブリット(クローナル)と言われるものです。中国種の茶樹を交配させ、優秀な母木から挿し木によって同じ遺伝子を持った苗木を作り、育て、生葉を収穫しています。これらの茶葉をクローナルと呼んでいます。また従来のダージリンの茶園でよく栽培されている品種にチャイナバラエティーがあります。これも中国種の茶樹を雑種交配させた品種でダージリン地域によくあった性質を持ち、長年ダージリン茶の味を支えてきた品種です。それではクローナル種との大きな違いはどこか?と言いますと、クローナル種は1キロの生葉を摘むのに6,000葉、バラエティー(在来種)は20,000葉で1キロです。クローナルの方が労働効率が良いのがお解りだと思います。それだけでなくハーブの様な香りが特徴で味がライトで渋みも少ないものが多い様です。特にヨーロッパでは人気が高いようです。

ちょっと解りにくいと思いますが、クローナル種と在来種(ダージリンにおける)は茶樹の品種が異なるとお考えください。私個人的には、在来種(チャイナバラエティー)の方が、ダージリンの味、香りの特徴が良くでるように思います。

        

2008.5.9