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◇◆◇◆◇高野の独り言◇◆◇◆◇

◇高野の独り言 目次◇

第9回 2005年ディンブラ茶・ダージリン2番茶買い付け雑感

 ご存知のようにセイロンは昨年末の津波の被害が甚大であった。多くの人が亡くなり、たくさんの方々被災された。心より哀悼の意を表します。
津波の2日後、コロンボ商工会議所での紅茶オークションは予定通り行われた。被害報道が入るたびに、コロンボが助かったのが不思議だった。
紅茶の生産は山のスロープを利用して行われるため無事だった。
モンスーンの異常など最近はどの産地も不調で、買い付けが難しくなっているが、今年はなかなかの出来具合で例年より良い物が買えたと思っている。

ダージリン2番茶だが、今年もいつもの時期に良い物が出てきました。ジャンパナ、シーヨック、サングマ茶園というラインナップです。年々震えがくるほど素晴らしい茶に出会えることが少なくなったのが残念です。来年こそ!!ティーポット

第10回 2006年セイロンディンブラ茶、ダージリン1番茶買い付け雑感

 最初に申し上げますが、今年の買い付けは大変でした。何とか良いものを買いましたが、セイロン茶もインド茶もピーククオリティーは、瞬間で終わってしまいました。
 普通ディンブラ茶は2月の中旬位から3月いっぱい位まで、ダージリン1番茶は3月中旬から4月中旬頃までですが、ディンブラ茶は2月末で、ダージリン1番茶は3月末位でほぼ良いものは終わってしまいました。
 皆さんも新聞やテレビでご承知だと思いますが、ケニヤの大干魃による作物の凶作。食べるものも作れない状態ですから、当然紅茶生産どころではありません。現在時点でケニヤのCTC茶は3割減の生産と言われています。原因はモンスーンの異変により雨が降らない為に起きたと考えられています。
セイロンやインドでも同じ事が起きたのです。ディンブラでは最初、日照りが続き生産量の減少が心配されていましたが、まあまあの品質のものが生産されていましたが、突然大雨が降り(通常この時期には大雨は降らない)シーズンはおわり。
インドダージリンも同じ状況でした。世界的な異常気象ではどうにもなりません。これからが心配です。

第11回 味のわかる人?

 岩波文庫に、袁 枚著「随園食単」という本がある。著者、袁枚(えんばい)は中国(清)の人で、康煕54年(西暦1715年)に生まれ乾隆帝の時代に活躍した人である。廷試に合格し、ある郡の長官をした人である。彼は南京近くに、久しく廃園となって荒れはてた別荘を買い求め、「随園」と名付け、長い年月をかけだんだん立派なものにして行った。もとより、古文を善くし、詩を書き、飲食を楽しむ文化人であり、「随園」で知友門下を集めてよく詩酒の会合を催した。
 この本にはあらゆる食材の解説、適切な調理方法など興味深い話がたくさんのっているが、その序章で「飢えている人は何を食べても甘い(うまい)と味わい、渇いている人は何を飲んでもすばらしいと感ずるものだから、このような人々は飲食の本当の味を解することができないのだ」といっている。又『中庸』には「人間は飲食しない者は一人もいないが、本当にものの味のわかる者は実に少ないものだ」と書いてある。
『典論』には、「その人一代で富豪になった長者は住居に関してだけはその善悪がわかるのだが、三代も続いた長者でなければ衣服や飲食の良否を本当に理解することはできないものだ」ということがのべられている。
私はこの本を読んで「全くその通り」!!と合点がいった。昨今の成金ブーム、飲食に対する関心の無さには愕然とする。紅茶の持つ旨さなど理解されなくなるのではと心配している一人である。