◇◆◇◆◇高野の独り言◇◆◇◆◇
第1回 紅茶を点てることはそんなに難しくない 第6回 第11回 味のわかる人? 第16回 ボンバガラウバ茶 第20回 第21回 セイロンティー新輸出税スタート |
皆様もご承知の通りフレーバードティーとは、天然、人工香料を問わず茶葉に香りをつけた着香茶のことですが、若い人を中心に根強い人気があるようです。 我々は長い間、緑茶を飲んできましたが緑茶に香料を添加したりせず自然な状態で楽しんできました。茶葉に香料をつける着香茶文化は元々日本には無く西欧のものと考えています。西欧の人達の飲料文化は基本的にはコーヒーにあると思います。彼らは「お茶」をオリエンタルなものとしてとらえ、自分達の生活文化にあった形で取り入れた結果、着香茶が生まれたものではないでしょうか。もちろん文化ですからその国で変化、発展していくことは結構ですが、イギリスやニュージーランドのように紅茶本来の持つ旨さを生かした楽しみ方が大切です。 30年近く紅茶の仕事に就いていますが、昔から紅茶の渋味に対してあまり好ましくない印象をお持ちの方が多いようです。 以前から申し上げていますが、これらの渋みの旨さを理解できる人は「丁寧な生活」をしている人達です。子供の頃からいろいろな味を経験した人はこの旨さがわかるのです。ファーストフード大好き人間にはちょっと理解出来ないと思います。 2003年6月25日『おいしい紅茶はミルクが先 英王立科学会が結論』という記事が配信されました。記事をそのまま紹介します。 【ロンドン24日共同】カップに先にミルクを入れてから紅茶を注ぐのがおいしいミルクティーのコツ。紅茶文化の本場、英国の王立科学会は24日、「完ぺきな紅茶の入れ方」を発表した。 この問題は長い間日本でも論争となってきましたが、私は以前から次のように考えています。 1).日本のミルクはほとんどがホルスタイン牛から搾乳しており、ホモジナイズ(均質化)されていますから脂肪分が分離して容器の上の方に浮いていることはありません。 2).日本の牛乳は96%が超高温殺菌牛乳ですが、これは欧米からみると異常なことです。120度~130度で2秒~3秒殺菌します。実は、この段階で加熱臭が発生しており、この為、こくがある様にも感じます。(いわゆる乳臭さです) 3).イギリス人は毎日紅茶を点てます、しかもそんなに上等ではないミルクティー用の茶葉(アッサムやケニヤ産のCTC)ですがこれがイギリスの水によく合います。濃さも点てる量も使うポットも決まっていますので、最初にどのくらいのミルクをカップに入れておけば良いのかも判っているのです。 4).日本人はほとんど紅茶をちゃんと点てません。ティーバックをカップの中で少し泳がす程度‐‐ほとんどの方がシャブシャブの色つき水を飲んでいるのが現状ですからいずれの方法でも問題外。 さて、ちゃんと点てている方はと言いますと、自分の使っている茶葉の適切な量も湯量も特徴など判っているわけですから、ミルクを先に入れた方が良いと思います。ただ先ほども言いましたように、日本の牛乳自体風味が最初から損なわれているのであまり気にしなくても良いと思います。 結論として、日本ではミルクインアフターの方が無難かと思います。旨い牛乳を手に入れるのも大変ですし、とても価格が高いのが難点です。 |